妹が愛おしくなる『妹のろい』をプレイ
(別ブログの記事を移動したものです)
約2年前のゲーム。
ちょうど気軽にできそうなノベルゲームを探していたので、やることに。
ティラノゲームフェス2016の入賞作だそう。
ダウンロードは以下で↓
(おもいっきりネタバレ)
重度のシスコン兄貴と清楚で聞き上手で病弱な妹の話。
幼稚園生の頃から妹のさゆり・通称さゆが大好きで、ドン引きされまくりな主人公。
幼稚園の先生には「お前の将来が心配」とまで言われた。
でもまあ……、
こんな可愛かったらそれも仕方ないよね……。
病弱でどんくさいけど、聞き上手で兄の話をなんでも聞いてくれるさゆ。
ただ肯定するだけじゃなく「もっと勉強しなさい」「服装に気を使いなさい」とゆるやか~に叱ってくれることもある。
その時点で愛おしいわー。
でも、ギャグ調なシスコン兄貴の語りで進んでいくのに、どこか悲しい。
(こんな妹いねーよ!という意味ではなく)さゆもそこにたしかにいるのに現実味がない。
兄貴の妄想の存在……?
と疑いはじめたところで、さゆの正体が明かされた。
さゆちゃんは交通事故で死んだ幽霊だった……。
4か月前のことだそうで、死んだのは比較的最近。それまではたしかに、妹は実在していたのだ。
でも4か月前の事故でさゆちゃんは死に、シスコン兄貴の心は壊れてしまった。
シスコン兄貴のシスコン描写は大袈裟なくらいガッツリ描かれてる。
だから、死んだ時のショックは相当のものだったろうというのがよくわかる。
もし幽霊として現れてくれなかったらシスコン兄貴も死んでしまったんじゃないかと思う。
『妹のろい』の『のろい』は『呪い』だ。
幼稚園の頃、シスコン兄貴が渡した指輪。これがさゆちゃんをこの世に縛りつけることになってしまった。
さゆちゃんは、シスコン兄貴が自分なしでも大丈夫になったらこの世から卒業する、と言ってくれたけど……。
このゲームはエンディングが2種類。
わかりやすいもので、さゆちゃんが卒業できるかできないかの2つ。
これはシスコン兄貴にかかってるわけで、シスコン兄貴がさゆちゃんから卒業できなければ、さゆちゃんもまたこの世から卒業できないのだ。
バッドエンドはシスコン兄貴がこの世から卒業してしまう。
これはある意味ハッピーエンドなのか?(笑)
でも、さゆちゃんがひたすら自分を責めそう。
これで一緒にいられるね、という単純な話では済まなそうだなあ。まあだからバッドなんだろうし。
折原さんを捨てて自分に依存し、果ては死んだシスコン兄貴を見てなにも思わないわけがない。
自分のことしか考えなかったシスコンエンドだった。
で、ハッピーエンドはまさしくハッピー。
悲しいんだけどね……。
でもさゆちゃんは、妹なしでもシスコン兄貴に生きていけるようになってほしかったわけで、それをシスコン兄貴は受け入れた。
お互いに卒業して新しい道を歩んでいける、希望に溢れたエンドだった。
正直、さゆちゃんが去るシーンは泣けた。
神々しすぎでしょ……。
だけど、それでもさゆちゃんが世界一の妹であることには変わりなし。
同じくブラコン属性持ち(笑)の折原さんと似た者同士結ばれつつ、シスコン兄貴は今日もシスコンをやっている。
なんだか自分も妹に会いたくなってしまった。
いないけど。
妹っていーよなー!